粘土や土を用いた建築物は、世界中に広く分布しています。
セメントやその他の工業的加工度合の高い建築材料と比べ、炭酸ガスの発生量がきわめて小さいことや、多孔質であることからくる調湿性など、環境にやさしい利点をたくさん持っています。
しかしながら、粘土特有の耐水性のなさがあり、雨量の多い地域では作り変えサイクルの短さなどの欠点を持ちます。
ウォーターセラミックは、粘土、砂の粒子間をシリカによって固結し、且つ疎水性を与えることにより水の侵入に抵抗することで耐久性を持たすことができます。
無論、土の呼吸は妨げません。

セメントモルタルはカルシウムを固結材にした砂岩とも言えます。カルシウムは耐水性において、特に都市における酸性雨水に溶けやすい欠点を持ちます。
建築外壁工事に欠かせないタイル仕上げの最大の弱点が目地にあることは、建築仕上げ技術者に広く知られるところです。
タイル目地の経年による深掘れは美観のみならず、タイル裏足への水の滲入、さらにタイル裏でのカルシウム結晶により浮きが進行します。タイル目地に対する配慮は、建築物の耐久性において新築時のみならず、長期に建築を改修計画での重要検討事項です。

砂岩の砂同士をくっつけている固結材には、カルシウム以外にもシリカがあります。砂もシリカですから、自身の成分で自己固結しているすがたです。
耐水性においては、カルシウムより強いことも特徴です。ウォーターセラミックは、シリカによって固結を強化し、且つ疎水性を与えることで耐久性を向上させます。